人生の四季をどう生きるか
無私奉公の人 鮎川義介の生き方に学ぶ を読んで
鮎川氏の存在を知ったのは、王道學に出会ってからであった。正直、最初のころは「どうやら、すごい人らしい」ということしか分からなかった。鮎川氏について語られたものは少なく、その実績にしても規模が大きすぎて掴みどころがなかった。憧れるには未知であった。
「日本の為に何か貢献できる一角の人物になりたい。」と、夢とエゴを7:3で足して割ったような自分の想いを、徳山先生は「無私奉公」を超えて「滅私奉公」だ!と叱咤激励する。
経営者(事業家)という生き物は、総じて意欲が強く活動的なものだが、一昔前の社会のありようはどうも谷の心を欠くようで、倒産寸前の会社に後継としていつつも本氣で立て直すには、言い訳の要素が多すぎた。
【至誠 天地人に通ず】
鮎川氏はまさに「無私奉公」の体現者であり列強諸国に支配される寸前であった日本をなんとしてでも守り抜こうとした人物だ。
「道徳経済一元論」を掲げ、世界でも類例のない理想郷をつくろうとしたのだ。
そこには、自分の置かれた境遇に対して一切の弱音も、言い訳もせず使命と情熱に燃える気迫が伝わる。
特にこの一節に痺れる。
「己を空しうすることが 人の幾代かを要すると思われる大事業もよく 一代で成し遂げられる」
空しうして、空しうして、空しうして公器となればこそ、さながら闇夜に浮かび続けるあの星のような鋭くも暖かい輝き。
現在、世界は覇道による支配が崩壊する真っ只中のように映る。
その時、我々日本人の(日本的な精神の)美的感性、誠実性に出来ることはあるのだろうか。
この国の人々が、否、私自身が【夢・志・使命】の包括された念いにより、王道を超え天道に生きる時
民の一人一人が
人の心に和合し
自然法則に則り
天意に通じる時
顛倒夢想 世界がひっくりかえる夢を見る。
玄氣-GENKI-